おしゃれな部屋を効率よく作るために。インテリアコーディネート費用の相場と依頼の進め方 #column
家具や小物を新調しても、どうも全体の統一感が出ない——。
カーテンを替え、ラグを敷き直しても、思い描いた雰囲気と違う——。
その原因は単純で、部分的な改善では空間全体の調和がとれないからです。配色、サイズ感、照明の配置、動線設計など、複数の要素を同時に計画する必要があります。
この「全体設計」を専門に行うのが、インテリアコーディネーターです。
コンセプト作りから家具選び、レイアウト設計、施工の段取りまで、一貫したサポートを提供してくれます。
しかし依頼を検討する段階で、多くの人がこう思うはずです。
「費用はどのくらいかかるのか?」
「どこまでお願いできるのか?」
「予算を抑える方法はあるのか?」
本記事では、インテリアコーディネート費用の基本構造、相場、依頼先ごとの特徴、追加費用が発生するケース、そして費用を抑えつつ満足度を高める依頼方法まで、実践的に解説します。
【この記事で得られる情報】
・インテリアコーディネート費用の構造と計算方法
・時間単位・面積単位・パッケージ料金の相場
・依頼先ごとの料金傾向と特徴
・追加費用がかかる代表的なパターン
・予算を抑えるための工夫と優先順位の付け方
・コーディネーター選びのチェックポイント

1. インテリアコーディネート費用の基本構造
インテリアコーディネートの費用は、主に以下の3項目で構成されます。
- コーディネート料
コンセプト設計、家具・照明・ファブリックなどの選定、配色や素材の計画、図面作成といった「知識と時間」に対する報酬です。担当者の経験値や依頼範囲、対象空間の規模で金額が大きく変わります。 - 商品代金
購入する家具、カーテン、照明、ラグ、装飾品などの費用です。選定するブランドや素材によって幅があります。 - 施工・設置費
家具搬入、カーテンレールの設置、照明の取り付けなど実作業に伴う費用です。
特にコーディネート料は、プロジェクトの複雑さや作業範囲により差が大きくなるため、見積段階で内容を明確にしましょう。
2. 料金相場と活用シーン
時間単位の料金
短時間でのアドバイスや買い物同行など、部分的な依頼に適しています。
- 相場:5,000〜10,000円/時間
- 例 :家具店での選定同行(2時間:約1〜2万円)
図面を使ったレイアウト相談(1時間:5,000円〜)
面積・部屋数単位の料金
部屋単位や複数空間をまとめて整える場合に使われます。
- 相場:6〜8畳で3〜8万円、LDKで10〜20万円程度
- 例 :ワンルーム(25㎡)→約5〜10万円
2LDK(50〜60㎡)→約15〜30万円
パッケージ料金(商品込み)
家具や雑貨を含め、提案・購入・納品までを一括で行うプランです。
- 相場:30〜100万円以上(選定するアイテムやブランドによって変動)
- 例 :賃貸ワンルーム全体(家具・家電込み)→約50万円
新築戸建てリビング+ダイニング(家具・照明・カーテン込み)→約80万円
3. 依頼先ごとの特徴と料金傾向
独立系インテリアコーディネーター
- フリーランスや小規模事務所が多い
- ブランドや店舗の制限が少なく、柔軟な提案が可能
- 中間マージンが少なく、比較的コストを抑えやすい
家具・インテリアショップのサービス
- 店舗で扱う商品から選ぶため、提案〜納品がスムーズ
- コーディネート料が無料〜低額の場合あり
- 品揃えは店舗のラインナップに限定される
ハウスメーカー・リフォーム会社
- 建築・リフォーム計画と一体化した提案が可能
- 間取りや造作家具まで含めた高度な提案ができる
- 全体費用に組み込まれることが多く、料金が見えにくいケースも
4. 追加費用が発生しやすいケース
ケース | 追加費用の理由 |
---|---|
遠方出張 | 交通費・宿泊費 |
打ち合わせ回数増加 | 当初予定を超える工数 |
オーダー家具や特殊加工 | 材料費や職人の手間 |
家具の処分・移動 | 廃棄・運搬費用 |
これらは、契約前に条件を確認し、必要に応じて予備費を設定しておくことが望ましいです。
5. 予算を抑えつつ満足度を上げるための工夫
- 予算上限を明確に伝える
初回打ち合わせで必ず提示し、提案範囲を適切に調整してもらう。 - 優先順位を設定する
すべてを一度に整えるのではなく、生活の中心となる空間から着手する。 - 既存家具を活用する
色や配置の工夫で、既存家具でも新鮮な印象を作れる。 - 複数社から見積を取る
同条件で依頼し、価格とサービス内容を比較することで判断材料を増やす。
6. 信頼できるコーディネーターを選ぶためのチェックポイント
- 実績の確認:ポートフォリオや過去の事例が自分の好みに合っているか
- ヒアリングの丁寧さ:ライフスタイルや要望をきちんと引き出してくれるか
- スケジュールの明確さ:納期や打ち合わせ回数が事前に共有されているか
- アフターフォローの有無:納品後の微調整や相談が可能か
7. 料金形態別の比較表
依頼形態 | 相場 | 特徴 |
---|---|---|
時間単位 | 5,000〜10,000円/h | 部分的な相談や短時間のアドバイスに適する |
面積単位 | 3〜8万円(6〜8畳) | 空間全体の調整に適する |
パッケージ | 30〜100万円以上 | 商品込みでトータルに提案可能 |
まとめ
インテリアコーディネート費用は、依頼範囲・空間の広さ・依頼先によって大きく変わります。重要なのは、目的と予算を明確にし、それに合った依頼形態を選ぶことです。
また、実績や得意分野を確認し、信頼できるパートナーと計画を進めることで、費用以上の価値を得られます。計画性を持って依頼すれば、暮らしの質を向上させる空間づくりは現実的なものになります。