和室が“よみがえる”かも?今どき新築で悩む「畳のある暮らし」再考 #column

「和室って、ぶっちゃけ必要?」
新築の間取りを考えるとき、誰もが一度はこの問いにぶち当たります。畳の匂いにホッとする派もいれば、「正直使わなくない?」というリアリスト派も。

でもちょっと待って。和室って、ただの“昔ながらの部屋”で終わらせるには惜しいポテンシャルを秘めているんです。今回はそんな和室の本音と可能性、使いこなし方まで、とことん探ってみましょう。

この記事を読めばわかること

  • 和室のメリットと、ちょっと気になるデメリット
  • 「和室って実際いつ使うの?」というライフシーンのヒント
  • 今どきの暮らしにフィットさせる工夫アイデア
  • 和室ナシ派が気をつけたい間取りの落とし穴

1. 和室って、ぶっちゃけどう?まずはメリットをチェック!

「和室」という名前だけ聞くと“ザ・昭和”な印象があるかもしれませんが、じつは意外と懐深い存在。最新の洋風インテリアとも相性がよく、ライフスタイルによっては超便利に使えます。

🟢 変幻自在のマルチスペース

畳の上って、なんであんなに自由なんでしょう。家具に縛られず、布団も敷けるし子どもがゴロゴロしても安心。

  • 急な来客にサッと対応できる“即席応接室”
  • 昼寝・ストレッチ・ヨガにちょうどいい空間
  • おむつ替えやキッズの遊び場にも大活躍
  • 将来の親の介護スペースとしても優秀

「使い道が決まってないのに、なんとなく助かる」——そんな不思議な引き出し力を持っています。

🟢 “脱・緊張空間”のゆるやかゾーン

畳の肌ざわり、障子越しの光、低めの目線。洋室に比べて空間が“ふわっ”としてるんですよね。緊張感がほぐれて、自然と深呼吸したくなる感じ。リビングに隣接してるだけで、家の中がちょっとだけ優しくなります。

🟢 押入れの底力、侮るなかれ

布団だけじゃない、季節の家電や来客用の座布団までスッポリ収納できる押入れは、侮れない存在です。「あれ?これ、リビングに置きたくない…」ってアイテムも、まとめてIN!

a room with a table and rugs on the floor

2. 和室にもウィークポイント、あるんです

万能そうに見える和室ですが、「完璧」ではありません。住んでみて「おや?」と思いがちな落とし穴を、先に知っておきましょう。

🔺 お掃除事情:畳の機嫌は気まぐれ

畳って、湿気とかシミとか、ちょっとしたことでご機嫌ナナメに。飲み物をこぼしたら即OUT。ペットの爪も要注意です。

さらに「表替え」とか「裏返し」とか、フローリングより手間がかかるのも事実。でもその分、空気がうまい(気がする)というプラスポイントもあるんですが…。

🔺 存在はしてるけど、使われない

「せっかく和室をつくったのに、気づけば洗濯物置き場になってた」 よくある話です。暮らしの中心がLDKで完結していると、和室が“無人島”になってしまうことも。

🔺 デザインの“浮き”問題

洋風モダンなおうちに、ザ・和室がドン。ちょっとだけ浮いてしまうこともあります。最近は和モダンなアレンジも可能なので、インテリアの工夫が必要です。

3. 和室を“暮らしに溶け込ませる”工夫たち

せっかく作るなら、使い倒しましょう!
和室の“あるある失敗”を回避するための、ちょっとしたアイデアをご紹介します。

💡 リビングにちょこんと畳コーナー

畳をリビングの一角に埋め込む「畳コーナー」は、まさに和室のいいとこ取り。

  • 小上がりで収納力も確保
  • 空間に段差が生まれて“居場所”が増える
  • 家族が自然と集まるゾーンに

わざわざ扉を開けなくても使えるって、思った以上に大きいんです。

💡 和+洋=ハイブリッド空間

「縁なし畳」や「琉球畳」で、グッと今どき感UP。壁紙や照明も“ちょい和”に抑えると、洋風インテリアとの調和も◎。

ポイントは、「完全に和」にしないこと。あくまで“テイストとして和がいる”くらいが、ちょうどいいです。

💡 老後に備えて1階に一室

親世代との同居や介護も視野に入れるなら、1階の和室は頼れる存在。寝室としてもベッドより柔らかく、起き上がるときもラクちん。将来への安心感が、空間に表れます。

4. 和室ナシもアリ。そのとき気をつけたいこと

「やっぱりウチは洋室だけでいいや」派も大丈夫!ただし和室をつくらないなら、それなりの“工夫の代打”が必要です。

ゆるやかゾーンは確保して

来客、子どもの遊び場、お昼寝スペース…和室が担っていた“中間スペース”は、意外と重要。ソファでもベッドでもない、“ちょっと横になれる場所”をどう作るか。

リビングにクッションスペースを設けたり、引き戸でゆるく仕切れる空間をつくるなど、“緊張感を緩める仕掛け”があると暮らしやすさUP。

収納戦略は見直し必須

押入れがなくなる分、布団や季節物の居場所をあらかじめ確保しましょう。ウォークインクローゼットや床下収納の導入も視野に。

可変性のある間取りが吉

「今は要らないけど、将来は…」という人には、将来和室に転用できるスペースを設けておくのが◎。間仕切りで洋室⇔和室を行き来できるようにするなど、“未来に優しい設計”を意識しましょう。

まとめ

和室に「いる?いらない?」と聞くのは、ちょっと野暮かもしれません。
大事なのは「どう暮らしたいか」。和室は、その選択肢のひとつにすぎません。
でもその一室が、暮らしに思わぬ“余白”をもたらす可能性もあるんです。

  • ゆるく、自由に使える空間がほしい
  • くつろげる“低めの視点”が好き
  • 将来の備えも視野に入れたい

そんな方には、和室のある暮らしがフィットするかも。逆に「掃除が面倒」「スペースがもったいない」と感じるなら、“畳のエッセンス”だけ取り入れるのも全然アリ。

自分たちの暮らしに合った「和との距離感」、見つけてみてください。