予算4,000万円台で、後悔ゼロの家づくりはできるのか?」──年収600万円でも実現可能な、失敗しない注文住宅のリアル設計図 #column

この記事を読めば分かること

  • 4,000万円台の注文住宅に必要な費用の内訳と考え方
  • 年収に対して無理のないローンの組み方と資金計画
  • 家族構成に合わせた間取り設計の具体例と工夫ポイント
  • 「お金をかけるべき場所」「削っていい場所」の見分け方
  • 4,000万円台で満足度を最大化するための家づくり戦略

はじめに

休日の午後、家族で庭にテントを張ってピクニック。
隣では子どもが裸足で芝生を駆け回り、リビングからは笑い声がこぼれる。

こんな暮らしがしたいと夢見て、あなたは今「注文住宅」を検討しているのではないでしょうか。

でも…
「この予算で理想の家って本当に建てられるの?」
「あとから後悔しないだろうか?」
そんな不安が胸に浮かんでいませんか?

実は、注文住宅で失敗する人の多くが、“お金の使い方”を間違えています。
豪華にすればいいわけじゃない。でも、ケチればいいって話でもない。

この記事では、「ちょうどよくて、ちょっと自慢できる」──そんな住まいを4,000万円台で叶えるための考え方と具体例をお伝えします。あなたの理想の家づくりが一歩前に進むヒントが、きっと見つかるはずです。

費用の落とし穴!“家の値段”だけでは済まない理由

注文住宅のチラシに載っている「本体価格」。
実はそれ、家の“全部の費用”じゃないことを知っていましたか?

注文住宅に必要なお金は、主にこの3つに分かれます:

費用項目内容割合(目安)
本体工事費建物そのもの(基礎、屋根、内装など)約70〜75%
付帯工事費外構、地盤改良、給排水など約15〜20%
諸費用設計料、登記費、ローン手数料など約5〜10%

たとえば「家の価格3,000万円」と書いてあっても、トータルでは4,000万円を超えることも普通にあります。

つまり、あなたが家づくりの予算として「4,000万円出せる」と考えるなら、「家だけに4,000万円かけられる」わけではないのです。

年収600万円で、いくらの家が建てられる?

住宅ローンを組むとき、大切なのは「返せる額」と「借りられる額」のバランス。
年収別に、35年ローンでどれくらい借りられるのかをシミュレーションしてみましょう。

年収借入可能額(目安)月々の返済額(概算)
500万円約3,300万円約9.5万円
600万円約4,000万円約11.5万円
700万円約4,700万円約13.5万円

✔️ 年収600万円前後なら、4,000万円台の家も十分視野に入ります。
ただし、無理のない生活をするためには、頭金を200〜300万円ほど用意するのが安心です。

「家族の暮らしにフィットする家」の間取りアイデア2選

▶︎ プラン1:共働き夫婦+子ども2人=30坪でつくる“回遊動線の家”

  • LDK18帖+隣接する和室(来客用&子どもスペース)
  • 洗濯機→乾燥機→収納の一直線動線
  • 2階には子ども部屋×2と主寝室+WIC

実際の生活がグッと楽になるポイントは、「家事動線の短さ」。
朝のバタバタ、帰宅後の洗濯、夜の片付け──すべてがスムーズになる設計です。

▶︎ プラン2:40坪でつくる“余白のある暮らし”+在宅ワークにも対応

  • 吹き抜けリビングで開放感たっぷり
  • 玄関直結の土間収納+ワークスペース
  • 2階は家族の寝室&多目的DENスペース

在宅勤務の機会が増えた今、「集中できる場所」と「くつろげる場所」の切り分けが大切。
このプランなら、仕事も趣味も家族時間も大切にできます。

a living room filled with furniture and a large window

コストを抑えるには、“お金をかける場所”と“抑える場所”を知る

注文住宅は、「どこにお金を使うか?」が満足度を左右します。
以下の表で、投資すべきエリアと、工夫でコストを抑えられるエリアを整理しましょう。

投資すべき理由
キッチン・バス毎日使う&交換が難しいため
断熱・気密性快適さと光熱費に直結するため
収納・間取り動線家の使いやすさを大きく左右する
工夫で抑えられる理由
外壁や屋根の素材耐久性重視でコスパ良いものを選べばOK
部屋数・広さ“必要以上”は掃除の手間&コスト増
照明・インテリア後からでも変更・追加しやすい

後悔しないための3つのルール

  1. 「見た目」より「暮らし心地」優先
     モデルルームに心奪われても、暮らしやすさが最優先。
  2. 「将来の変化」を想像して間取りを決める
     10年後、子どもが巣立った後の生活もイメージして。
  3. 「完璧」じゃなく「納得」でOK
     こだわりすぎると時間も予算も膨らむ。「これで十分」を自分で決めることがカギ。

まとめ:4,000万円台でも、“理想の暮らし”はつくれる

4,000万円台という予算は、注文住宅において「ちょうどいい挑戦の価格帯」です。
ただし、「失敗しない」ためには、計画と優先順位がすべて。

  • 全体費用は「本体」+「付帯工事」+「諸費用」で考える
  • 年収×6〜7倍以内の借入額が安心の目安
  • 生活に直結する場所にお金をかけ、見栄は最小限に
  • 間取りは「今」だけでなく「未来の暮らし方」まで想像する

このポイントさえおさえておけば、あなたの家づくりは「楽しかった思い出」になるはずです。
いつか子どもがこう言う日が来ます──「うちの家、けっこういいよね」と。